2007年 11月 24日
と言っても、私に計測する術はない。頼りにするとすればパナさんがL10において、従来のL1のLive-MOSを画素を増やしながら更に改善したと言っていること、そしてL10の画像もなかなか良くてあながち嘘はついていまいということ。そして、E-3にもこのL-10と同じ改良型が搭載されているであろうと言う推論の上でだ。幸い、Dpreviewのレビューにおいて最近E-510のものもアップされた。そこで、E-3は少なくともL1よりも改善されているだろうという前提とすればどのレベルだろうと考証してみたものだ。 dpreviewの古い記事では登載されていないがここ1年間ぐらいのレビュー記事(プレビューでは当然駄目)にその機種といくつかの機種のダイナミックレンジ比較が載っている。今回は以下の3つの機種の記事を参考にした。 Panasonix L1 Olympus E-510 Canon EOS 40D グレーチャートで、白黒それぞれ色合いの変化が判別出来るぎりぎりのところで赤ラインが引いてあり、その間の幅で表されている。1目盛りが1/3EV.従って目盛り差が22あれば7と1/3段となる。ここで出ているダイナミックレンジの絶対値については異論があるかも知れない。しかし同一条件で出されているので各機種の相対的な比較に関してはある程度意味を持つと思う。 では、まず今ダイナミックレンジが狭いと言われているE-510(ここでは引用しなかったがE-410も同じ値である。)とその他ボディでの比較を見てみよう。ちなみに値は小さいほど白い(明るい)黒限界値、白限界値、差(ダイナミックレンジ)と読んで欲しい。なお端数の0.5は1/3切り上げた。 Olympus E-510 31.5-9.5=22(7+1/3) Nikon D40X 33.5-7.5=26(8+2/3) Pentax K10D 31.5-9.5=22(7+1/3) EOS KissD X 32.5-7=25.5(8+2/3) これでいくと、ニコン、キヤノンに比較して1段程度違い、その内ざっくり2/3段は白側が狭い形だ。我々が使っていての実感として感じている、または工夫して使っている部分とほぼ合うような感じである。 次に、L10のダイナミックレンジを見てみる。この7.5MPLive-MOSは当時の8MP-KAF(E-500,300)を維持したと言われている。実際、E-330に変わった時に色合い等の違いを指摘する向きはあったが、E-410,510の時ほどダイナミックレンジでE-500対比あれこれ声があがらなかった。またあのぼろくそに叩かれたDCM番付でもダイナミックレンジは高評価であったがDpreviewの計測値はどうだろうか。EOS40Dのものも合わせるとこうなる。 Panasonic L1 33.5-7.5=26(8+2/3) Olympus E-330 32.5-8=24.5(8+1/3) Olympus E-510 31.5-9.5=22(7+1/3) CanonEOS KDX 32.5-7=25.5(8+2/3) Canon EOS 30D 33.5-7.5=25(8+1/3) Canon EOS 40D 35.0-7=28(9 ) Nikon D40X 33.5-7.5=26(8+2/3) Nikon D200 32.5-7.5=25(8+1/3) Pentax K10D 31.5-9.5=22(7+1/3) ちなみに、問題の白側がどこまで伸びているかで上位から並べると 7.0 EOS KDX, EOS 40D 7.5 Pana L1, EOS 30D, Nikon D40x & D200 8.0 Oly E-330 8.5 ----- 9.0 ----- 9.5 Oly E-510(410) 上記には無いが、ちなみにソニーのα100は32.5-7.5=25(8+1/3)である。 これから言えることは、 ・少なくともKAF→7.5MPLive-MOSまではノイズは多いもののダイナミックレンジにおいては他社比遜色ない、もしくは凌駕していた。 ・同じ7.5MPでも後に出た分?パナの方がダイナミックレンジの幅がわずかながら大きい。 ・10MPLive-MOSになり高感度特性等は向上したが、ダイナミックレンジに限れば明らかにハイライト側を中心に従来のE-systemより狭まった。 ・その間に他社はペンタを除き向上したので更に差が目立った。 とこういうところだろうか。そしてパナソニックのL10のLive-MOSの説明によれば ・画素ピッチは狭まったものの ・配線部を更に細くすることにより、画素辺りの受光面積は7.5MP版と同等以上 というわけであるから、本来は画素辺りの受光面積が同じであれば無駄な配線部分のロスが減り受光部の数が増えた分ダイナミックレンジが向上してもおかしくない話であるからだ。(あくまで素人考えであるが、、) で、先代7.5MP版でも出た順にわずかだがダイナミックレンジが拡大していることを考えると、パナの言うとおり、L10版は先代7.5MP以上に改善、E-3は更に改善している可能性が高い。7.5MP版はL1で既に8+2/3段をたたき出しているのであるから、これより改善しているE-3やひょっとするとL10もEOS40Dの9段と遜色無いもしくはそれ以上の可能性もあるかも知れない。9段と言っても、7.5MP版比では1/3段の改善であるが、E-410,510対比では1+2.3段の違いである。加えて、これにE-3に搭載された階調オート(SAT:Shadow adjustment Tec.)や、ダイナミックレンジ以外の高感度ノイズの更なる改善を考えれば、今回E-3を試された方がE-410,510とベースは同じLive-MOSと思っていたの予想を大幅にくつがえされているのも理解出来る。 ---------------------- 勿論、センサーの特性はダイナミックレンジに限られるわけでもなく、階調のなだらかさや、高感度ノイズ等様々なものから成り立つ。ではE-330の時の方がE-410より良かったかというと、私自身は多少白飛びを考慮しないと行けないとしても、高感度の使いやすさや画素数等トータルでE-410のLive-MOSを選ぶ。実際、それで気に入って使っているからだ。 しかし、ちょこっと使ってここまで違いがわかるとなると勿論画像エンジンの性能等同じものをと言うわけにはいかないかもしれないが、マイナーバージョンだろうが何だろうが、早急に3桁機ラインにもフィードバックすべきでは無いかなあと思った。巷間、E-3の更に上位機構想のような噂も流れたが、E-3の出来の良さを考えれば将来的なことは別にしても、それの前にこのポテンシャルをようやく十二分に引き出したLive-MOSを3桁機に移植する方を優先すべきでは無いかと思った。(本音では、もしファームウェアで幾分改善出来る要素があるのであればお願いしたいが、、(苦笑)) 何れにせよ、Live-MOSの本領がようやく発揮された感じだ。個人的にはL10も気になりだしたけど、、(苦笑)
by hiro_sakae
| 2007-11-24 19:41
| E-x,E-xx関係
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