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2008年 02月 02日
【特許関係】誰もやらなきゃオリがやるのか?液晶ミラー
  ライブビューB方式で何としても、位相差AFをやるんだ!と言う感じでオリンパスが奮闘している様はここの特許関係で逐次紹介してきた。ハーフミラーを固定して、メインミラーを回動させる方式、或いはその逆。そしてこの方式でネックとなるハーフミラーの脆弱性から来る損傷を回避するアイデア。そして、先日はこれを抜本的に改良する新方式とも言える驚愕のスリット式ミラーのアイデアが公開された。今月に入ってこのスリット式での更なる改良(耐久性の問題)の特許も公開されたが、同じ出願者で更に洗練されたものが出た。




【公開番号】 特許公開2008-22303
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【発明の名称】 デジタルカメラ

である。で何が違うのということであるが、スリット方式ではミラーを一種のSWD方式で出し入れしていたが、今回はミラーは通常の回動するミラーである。

仕組みは撮像時のみ、ミラーアップする。これは通常のDSLRと同じ。ただこのミラーが普通のミラーでなく液晶ミラーの一種を使う形。要は電子的にこれが透過したり反射したりするので撮像時のミラーアップ以外ライブビュー中はこのミラーはぱたぱたしない形だ。透過するのであれば撮像時もそのままでも良いと思うのだが、撮像時に余計なものがない方が良いらしい。

そして、例えばライブビュー時の動画像のフレームレートが秒間30コマとする。これは一枚の画像が1/30秒毎に入れ替わる事を意味する。AFを行う際にはこの1撮像時間のタイミングと合わせてこのミラーの透過(撮像素子へ)、反射(AFセンサーへ)の切り替えを同期させる。
すると、撮影者の方はこのフレームレートの切り替えの間にAFに分光しているために、このミラーの切り替えを意識することなく、AFが行えるとまあこういう形である。

当然、低光量下においてはこの短い1撮像時間の間でAFが完了しない場合もあるが、その場合はこれを積算する仕組み等も書かれているが(この辺が肝なのかもしれない)ここでは省略する。これであれば、S-AFは無論のこと、C-AFにおいても視認上は普通に動画像を見続けつつ、AFが難なく行える。

個人的には、この特許や先日のスリット方式の特許にも通じる考え方として、ある光を分光する際に、ハーフミラーで分光するのでなく、通常のミラーで一種の時分割で振り分けるというアイデアは今までの延長線上にない斬新さを感じるし、そういうアイデアを具現化するに辺り前回の特許はそれをメカニカルに達成しようとしたものだとすれば、これはより電子的な解決方法が取られている。

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そして、分光したりする際にパタパタしたり、ハーフミラーだけでなく(或いはそれに加えて)一種の時分割で分光するというこの液晶ミラーのアイデアは、本実施例の電子ファインダー単独方式だけでなく、応用として「光学ファインダー等にも使える」と書いてあったことだ。

ここまで精緻なものでなくとも、液晶ミラーで通常ミラーの代替が出来、透過・反射の切り替えを電子的に切り替えられるのであれば、素人考えでまず思いつくのはE-330型のLV-A型への応用だ。あれはファインダーと、LV-A用センサーへの分光をハーフミラーで行っていたが、あの部分にこのミラーの応用が考えられるだろう。

そうすれば、LV-A時は全透過すればLV-A時に全ての光量がLV-A用センサーに振り分けられる。ソニーの新型機対比唯一の欠点であった光量不足の問題が一気に解決する。これにE-330当時より大幅に改善されたAFセンサーを組み合わせればかなり戦えるボディが出来そうだ。

また、光学ファインダー併用方式でもパタパタする変わりに、例えばミラーアップした状態でオリの別特許にあった、位相差AFセンサーに光を送る専用ミラーが下から持ち上がってAFセンサーに光を送るものがあった。その特許では結局、メインミラーがパタパタする変わりに、この専用ミラーがぱたぱたするだけなので今ひとつかなあと思ったが、この専用ミラーを液晶ミラーにしてしまえば、ライブビュー中は透過、反射を電子的に行うことにより、単独方式と同じ使い勝手が可能だ。

勿論、そんなことをしたらその分高価になるだろう。しかし、もしE-3と同等の性能を持ったボディで、ライブビュー時も光学ファインダーと全く同じ使い勝手でぱたぱたせず位相差AFのあのセンサーが使え、B方式であるから拡大等も自由自在となればこれはこれで存在価値があるというものだとおもうのである。

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とにかく、高倍率ファインダーの時も、ぶれ補正の時も、あるいはAFセンサーも特許上では色々なアイデアが出たし、そのアイデアとは全然別物で出てきたり、そのアイデア通りに出てきたものもばらばらである。ファインダーは別物だったし、ぶれ補正は時分割方式でなく超音波方式の普通の方で出た。AFセンサーは比較的すんなり出た感じ。従って結果はどうなるかはわからないが、オリがあれこれアイデアを繰り出している機能は?何かやってくれるのではと言う期待が高まるのである。ひょっとすると今かいま見えるのは全部没で全く違うものかもしれないが、、何れにせよ、期待したい。ライブビューで位相差AF、これを狙っているのは間違いない気がする。

by hiro_sakae | 2008-02-02 16:34 | オリ特許関係


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