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2008年 03月 08日
梅の35Macroと、25Pancakeの血筋の良さについて、、
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E-3, ZD 35/3.5Macro
ISO AUTO
Capture One 4

やや、擬人めいて書いたが他のレンズ群と違い、この梅の単焦点コンビは兄弟筋と言える様な血筋のつながりがあるのではないかという話。以前紹介した特許の記事と絡めて、、ZD35マクロとパンケーキが決してStandard Gradeから想像される「並」のレンズではないぞという話である。



フルサイズのレンズとフォーサーズのレンズを同じ画角(35ミリ換算で同じ焦点距離)で比べた場合に、25mm程度を境に望遠側に関しては望遠になればなるほどフルサイズ対比コンパクトであるのに比べて広角側に関しては、そうとは言えないと言う状態であったのは皆さんご存じの通りだ。25mmはフォーサーズでは換算50mmの標準であり、ここから広角側がどれくらいのサイズまで小さくできるかは皆興味の沸くところだ。

ズームレンズにおいては小梅ズーム等の登場や、他社がフルサイズ志向且つ高画素化に進む中で(ある意味セオリー通り)新しく出る高性能ズームが大きくなり、かなり「フォーサーズなのに、レンズがでかい」という批判は無くなってきたように思う。

ただ、単焦点に関してはZD50マクロや、ZD150/2などはフルサイズ換算の100ミリマクロあるいは、300ミリのものと比べて同一画角比コンパクト且つ高性能であるものの如何せん実証例?が少ないことに加え、先に出されたSummiluxが明るく高性能とは言えあの大きさだったので、やはりフォーサーズの25ミリ(35ミリ換算50ミリ)以下の領域のコンパクト化は難しいというイメージがファンの中でも出てきていたものだ。

よく、何で小さい撮像素子なのにフォーサーズはこの広角側が大きいのと言う人がいるがこれはフォーサーズが撮像素子の割にはバックフォーカス長が長いためにどうしても広角側はその奥迄光を到達させないといけない関係上だめなようである。私も難しいことはよくわからないが、レンズ(特に広角側)を小さくするには撮像素子の大きさとバックフォーカスの長さが重要らしい。

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さて、オリンパスもこのレンズの小型化には相当研究しているようで事実ズームレンズに関してはコンデジ用も含めいくつもの特許が常時と言って良いほど公開されている。しかし、単焦点は驚くほど少ない。既に研究し尽くされていることなのだろうか、、、と思っている時に去年の4月珍しく単焦点、それもDSLR用の単焦点レンズの特許が公開されここでも【特許関係】35マクロの特許?と言う記事で35マクロの断面図と比較しつつ紹介した。

内容に興味のある方は、上のリンクそしてそこに紹介されている原典からあたって頂ければ幸いである。

そして、今回登場したパンケーキのレンズ構成図がオリのUKサイトでは既にアップされているので見たが、これは上記の特許で記載されている変形例すなわち前群3枚に関しては1枚減らしても可ということで、2枚にした上で後群にオリンパスお得意の非球面ガラスを入れ更に性能アップとコンパクトを図ったものなのではないかと思った。

で、上記のリンクと繰り返しになるがこの特許の概略を改めて書いてみたい。(以前書いた時の内容が少しポイントがずれている気もしたりして、、所詮素人の解釈なのでご容赦)

1.一般的にレンズに絞りをはさんでレンズが対称、丁度玉ねぎを切って横から見たような具合になるガウス型というレンズ構成がありこれが一番収差補正等に優れており多くの写真用レンズで採用されている。

2.しかし、一眼レフの場合はバックフォーカスにミラー部があり本来想定される撮像素子面(フィルム面)より奥にこれを配置しないといけないので、あまり短い焦点距離ではこれが使えないと言うのが欠点としてあった。

3.これを回避するために、広角側では別のレトロフォーカス型が使われる他、このガウス型を何とか一眼レフでもより広角側で使えるような工夫、特許が種種考案され今ではガウス型でも相当広角まで対応出来るようにはなってきた。

4.ただ、フォーサーズの様な更に小さい撮像素子で且つ、構造上もミラーだけでなくIRフィルター他種種のものが入り込みよりバックフォーカス長を長くとらないといけない上に、テレセントリック性も確保するとなると今までのガウス型に対するバックフォーカス長の延長技術ではだめである。

5.と言って、今までの一眼レフにおける広角(超広角)レンズと同様に、レトロフォーカス型で解決しようとなると、前玉が大きいレンズになってしまい、単にフルサイズ一眼レフの超広角レンズを流用したような大きなレンズになってしまい、小型化が出来ない、、

ということを何とか解決する方法として考案された特許である。

実際の文章は数式混じりで難しいがいつもの素人解釈で結論だけはしょると解決方法は以下の通りだ。

1.まず、仕方がないので、前群、後群特に後群をいじりバックフォーカスを従来のものより大きく伸ばせるようにする。

2.このままではバランスが崩れる。かといってその為にレンズをどんどん足せばレンズが大きくなるので、このバランスを前群レンズ側の一番内側と、後群レンズ群の一番外側の曲率をいじり、すなわち、前群、後群にはさまれた一種の「空気レンズ」によってこれを吸収しバックフォーカス長を伸ばしながら小型化を維持する。

と言う事だ。そしてこれを満たすため(バランスさせるため?)の様々な式が設定されている。

そして、この成立式を維持するためにレンズ全体の繰り出しだけでなく、各レンズ群の位置も動かす、一種のフローティングの様なものをやるようである。(まあこの通りなったかどうかは別にして、、)インナーフォーカスや、或いはマクロにおける遠近距離フローティングなどはよくある話である。前者は、ズーム時のモーター駆動量(レンズ繰り出し量)の負担軽減等、後者は遠近変わらぬ画質維持等まあ実用上の利点、或いは性能向上のために行われている。

しかし、オリンパスはこの新しいアイデアと、複雑なフローティング機構を「ただ、フォーサーズに見合ったちっちゃくて、高性能なレンズ」を作るためだけにやってやろうじゃあないかというところがファンとしては、頑張ってくれたなあと思うところだ。

オリUKの方のスペック表でははっきりと「floating focus mechanism」と書いてある。私はそう言う意味でレンズ構成は非球面レンズの採用と相俟って特に後群が変わっているが、ここで言うフローティング機構は単によくある近接時対策でなくここに、小型化のミソが詰まっているのではないかと思っているわけである。

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さて、オリンパスのパンケーキレンズや小型のレンズに対する思い「薄くて、小さいからって性能そこそこじゃつまらん」と言うのは今回のZDパンケーキに限った話ではない。

他社は昔からパンケーキというと薄型、小型優先ということで多くはこのレンズには3群4枚のテッサー型を使った。(最近のペンタックスのものは4群5枚構成だが、、)

しかし、オリンパスはPenFTの限定版レンズであるDズイコーのパンケーキ以外は、PenFTの標準パンケーキはE-Zuikoと名前の通り五枚玉(Zuikoは古くはD-4,E-5、、、と枚数を表すアルファベットが冠されている。念のため)。そして、OMの名玉の一つ40/2パンケーキは、6群6枚のガウスタイプをあの薄さに収めている。余談であるが、コンパクトカメラにキャップレスの革命を起こした名機XAのレンズもあの小さいボディに35ミリ(当時は広角(苦笑))のF-Zuiko(6枚玉)を載せた。つまり、パンケーキでもきちんとした光学性能を確保する、そのために苦心するというのは小型化を強みとするオリンパスの伝統、こだわりともいえる。

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今度出てくるパンケーキレンズもオリが色々工夫してくれたおかげで素人目に見てもフルサイズの超広角レンズとは明らかに違う、すっきり絞りをはさんで対称に近い形をしている上で、あの小ささだ。
そして、奇しくもオリの最初の一眼レフPenFで登場したパンケーキと同じ5枚玉。昔の呼び名で言うなら 「E-zuiko Digital AUTO S 25/2.8」と言ったところか?(ちなみにPenFのパンケーキもF2.8である。)

ズイコーマクロの初代である50/3.5の小型とあのすり鉢の面影とシャープな性能を色濃く引くZD35マクロに、並のテッサーに飽きたらず、「パンケーキと言えどもEかF(5枚玉か6枚玉)」の伝統を受け継いで出てくる、ZD25Pancake。Standard Gradeの枠に収まらない、小粒でキレの言いZDの新たなスターコンビの誕生を予感させる。
(購入迷っている皆さ~ん、これでかなり背中押したつもりですけど、、(苦笑))

by hiro_Sakae | 2008-03-08 23:06 | ZD35 Macro


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